夜泣き|かんむしに宇津救命丸400年以上の歴史を持つ医薬品メーカー

Home » ブログ » かんのむし(かんむし)の正体は?

ブログ

blog

かんのむし(かんむし)の正体は?

先日、医療関係者に「かんのむし」のいわれなどの説明を
しました。せっかくまとめたので、ちょっと紹介します。

まずはかんむしの正体から。
もちろん、ほんとにいるわけありません。むかし某製薬
メーカーがCMで「えへん虫」と言っていて、監督官庁か
ら「そんな虫いないだろ」と怒られました。そのとき担当
役員が「じゃあ、かんのむしはいるんですか?」と切り返
したというエピソードがあります。

そのことが原因かどうかわかりませんが、私が会社に入っ
たころ、会社に厚生省(いまの厚労省)から電話があって、
「かんむしって何ですか?」と聞かれたそうです。ちゃん
と許可を受けた効能にあるのにね。

では、なぜかんのむしと呼ばれたか?
医学の発達していない昔は、病気の原因は体内にいる虫の
せいだと信じられていました。永禄11年(1568年)に書かれ
た針聞書(はりさきがき)という東洋医学書にその特徴と治
療法が書かれています。「虫が好かない」「虫の居所が悪
い」というのもその名残とか。

針聞書に載っている肝虫。いまの疳の虫とは字が違いますが。
(九州国立博物館蔵)

徐々に医学が発達し、病気の原因も徐々にわかってきまし
たが、小児が理由もなく泣く特異な症状だけがよくわから
ず、あいかわらず虫のせいにしてきた名残りではないかと
のことです。姑の手前、親のせいでもなく、子供のせいで
もなく、虫のせいにしたのも当時の智恵かもしれません。

かんむし退治
かんむしや夜泣きに悩まされたのは昔も同じで、いろいろ
な退治方がありました。

[虫封じ]
お寺や神社で虫封じの祈祷をしてもらう。

[虫を出す]
摩訶不思議なのは、赤ちゃんの手のひらに呪文を書き、塩
水で洗うとあら不思議、指の先から小さな糸状のものが。
これがかんむしだと言いはったようですが、真相は手を拭
いた布の繊維。むかしはこれを信じた人もいたようです。
(講演を聞いてた先生から「昔はお嫁さんが家から出る機会
がなかったので、虫封じに行くのはお嫁さんの息抜きだっ
たのでは」と言われ、なるほどなと思いました。)

[民間薬]
孫太郎虫、かたつむり、赤蛙、むかでなどを乾燥させて食
べさせる。子供に見せたら余計に絶叫しそうですが、たん
ぱく質の摂れない当時の栄養補給にはなったのでしょう。

いまでも売ってるんですね。ヘビトンボの幼虫とか。


名前がそのまんま。

かんむしと回虫
むかしは、かんむしとほんとの回虫・蟯虫とを混同したこ
ともあり、宇津救命丸も大正時代の一時期「虫下し」の成
分を入れていたこともあります。もっとも、当時回虫が多
かったので本気で回虫退治に入れてたのかもしれません。

次回は、現在のかんむし論を。