スーパーで突然泣き叫ぶ。おもちゃを投げる。何を言っても聞いてくれない。周囲の視線が痛い。
「この子、どうしちゃったんだろう」
「私の育て方が間違っているのかな」
同じ思いを抱えている方は、あなただけではありません。宇津救命丸に届いたお母さんたちの声を、少しだけご紹介します。
「少しでも嫌なことがあると奇声を上げ、気持ちがなかなか切り替えられない。癇癪が始まったら嘔吐するまで泣き続けていました」(4歳・女の子のお母さん)
「帰宅後が特にひどい。泣き叫んで全てがイヤになり、外でも寝転がったり衣服を脱ぐことも。寄り添うためのアプローチもできず困っていました」(2歳・女の子のお母さん)
「元々癇癪がひどく、4歳ごろから夜泣きや夜驚症のような症状も。ストレスが重なると回数が増えていきました」(女の子のお母さん)
毎日がこんな状態で、「どうすれば」と途方に暮れている——もし今、そう感じているなら、まず一つだけお伝えさせてください。
そしてもう一つ、大切なことをお伝えします。
多くの親御さんが、癇癪を「成長すれば治る」「今は我慢するしかない」と思っています。でも、仕組みを知り、向き合い方を知り、体の整え方を知れば、癇癪との付き合い方は確実に変わります。この5日間で、その道筋を一緒に見つけていきましょう。
2〜6歳の子どもの脳は、まだ「前頭前皮質」が十分に発達していません。前頭前皮質は感情のブレーキ役。大人なら「ここで怒ったらまずいな」と抑えられる場面でも、子どもはブレーキが効かないのです。
つまり癇癪は、脳が「まだ工事中」であるサイン。お子さんが未熟なのではなく、脳の発達が追いついていないだけなのです。
面白いことに、昔の日本人はこの現象を「疳の虫」と呼んでいました。「子どもの中に虫がいて、それが暴れている」という考え方です。
現代の目で見ると非科学的に聞こえるかもしれません。でも、この「お子さん本人のせいじゃない、虫のしわざ」という捉え方は、実はとても優しい知恵でした。
子どもを責めるのでもなく、親を責めるのでもなく、「疳の虫」という第三者に原因を置く。そうすることで、親子が一緒に問題に向き合える関係をつくっていたのです。
特に、発達がゆっくりだったり、感覚が敏感だったり、「ちょっとほかの子と違うかも…」と感じるお子さんほど、自律神経のバランスが乱れやすいことがわかっています。外部からの刺激を受けやすく、交感神経が常に緊張状態にあるため、ちょっとした刺激でも「大爆発」につながりやすいのです。
検診で「様子を見ましょう」と言われた。園の先生に「少し気になります」と言われた。でも、診断がつくわけでもない。そんな「グレーゾーン」のお子さんを持つ親御さんが、一番孤立しやすいのが現実です。
これは性格の問題ではなく、体の仕組みの問題です。だからこそ、「気合いで直す」のではなく、「体の仕組みから整える」という視点が大切になります。
実は、癇癪が激しいお子さんには「便秘がち」「すぐ軟便になる」という子がとても多いのです。
これは偶然ではありません。脳と腸は「迷走神経」という太いパイプでつながっていて、互いに影響し合っています(腸脳相関)。心が緊張すればお腹が痛くなるし、お腹の調子が悪ければ機嫌も悪くなる。大人でも、ストレスで下痢や軟便に悩まされる方は多いのではないでしょうか。
さらに、感覚が敏感なお子さんほど「偏食」が激しい傾向があります。食感が苦手、特定のものしか食べない——心当たりはありませんか? 偏った食事は消化器官に負担をかけ、腸内環境を乱しやすくなります。腸内環境の乱れは脳に伝わり、イライラや不安を強める。ここでも、お腹と心はつながっているのです。
お子さんの癇癪と、お腹の不調。もし両方あるなら、それは別々の問題ではなく、一つの根っこ——自律神経の乱れ——からつながっている可能性があります。この「つながり」を知っておくだけで、ケアの視点がぐっと広がります。