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歴史探訪 奥書院物語

宇津家と工場の一角に奥書院と呼んでいる建物があります。明治
12年の建造で、現在は工場の来客の客間として使っています。


書院になぜ「奥」が付くかというと、昔は手前にもう一つ別の書院が
あったからです。私の両親はここで結婚式を挙げ、祖父・祖母・父の
葬式もここでやりました(祖父・父は地元でもしました)。両親が亡く
なったあと、この書院が出来た経緯を初めて親戚から聞きました。
庭からの外観
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明治時代にこの地方で大規模な軍隊の演習がありました。当時の
軍隊の師団長は宮様で、近くに泊まる所がなかったため、当家に
白羽の矢が立ち、この奥書院を建てたという話でした。
その真偽はわかりませんが、建築様式を見るとなんとなく納得でき
る所もあります。
それは、1階の和室が廊下より20センチぐらい高くなっているとこ
ろ。まるで殿様の部屋のようで、あまり見かけないと思います。
部屋は12畳二間で、回廊に囲まれています。廊下の板は大きな杉
の一枚板で、今となっては珍しいものでしょう。若いころはその貴重
さがわからず、この廊下で焼き肉をやったり、子供が足こぎ自動車
に乗ってガラガラ走り回っていました。
いまごろはカメムシが入ってきて掃除が大変。
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私が子供のころは、夏休みになるとここに幽閉され勉強をさせられ
ました。当時はガラス戸がなかったため夏は虫が入り、締め切ると
暑くて冬は寒く、使い勝手がとても悪いものでした。その上電気が
暗く、夜は気味が悪くて近づけませんでした。
雨戸が痛んでくると、ホコリや虫の死骸がすごくなり、たまに開ける
と掃除が大変で、 いつしか使われなくなってしまいました。ガラス
戸を入れ、雨戸を直せばいい部屋になることはわかってましたが、
いまどき建具屋さんに木で作ってもらったら、費用も時間もどのくら
いかかるか・・・
5年前実家のリホームをするとき、何気なく大工さんに相談してみ
たところ、サッシにすれば割と簡単に出きるとのこと。しかし、明治
時代の純和風建築にサッシのガラスと雨戸を入れるのは風情があ
りません。でも、このままだったら朽ち果てていくだけ。そこで母と
相談し、思い切ってサッシに変えることにしました。ついでに、灯り
も増やしエアコンも入れ、トイレはウォシュレットに変えて、客間とし
て使えるようにしました。
襖を外して二間をぶち抜くと広い和室になります。
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1階の和室から見た庭。左の建物は誠意軒です。
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凝った細工の欄間
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2階には8畳二間の和室があり、ここも廊下で囲まれています。
リホーム前は、倉庫のようにガラクタが積まれていて開かずの間と
なっていました。その大量の荷物を捨て、掃除をして畳とふすま、
障子を変えたら見違えるようになりました。
真ん中の低いテーブルは、変わっているけど使えない・・・
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景色を見るのにじゃまな手すりを、取る・取らないでもめました。
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欄間には家紋も入っています。
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ここからの庭の眺めが素晴らしく、特に新緑と紅葉の時期は最高です。
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奥書院の東側に風呂場があります。さすがにここまでは手が回ら
ず、今は使われていません。以前は中に檜風呂がありました。
温泉でも出たら最高なのですが・・・
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この奥書院から眺められるように枯山水の庭を造ったらしいのです
が、むかし祖母が何を思ったか、日当たりが悪いと建物を10メートル
ほど後ろに引っ張ってしまいました。そのため、眺めのバランスは
崩れてしまいました。それだけならまだしも、その時土台をちゃんと
しなかったためか、東側が若干下がってきていて部屋の隅などに
隙間ができてしまいました。
先日、土台に隙間があることを発見し、浅はかにも車のジャッキを
使って板を挟もうとしました。何とか板を挟むことができたものの、
2トンの車を上げられるジャッキは見事に曲がってしまいました。
後で倉庫の中に本格的なジャッキを発見。でも、本格的にジャッキ
アップして、コントみたいに倒壊したらどうしよう・・・
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最近は来客も多く、私や子供たちの同級会もここでやっています。
行くたびにのんびり庭を眺めていますが、きれいになって使われ、
奥書院も喜んでいることでしょう。
でも、個人でこのような古い建物を維持していくのは大変です。