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2024年12月02日
400年続く「夜泣き」「かんむし(子どものストレスによるギャン泣きやイライラ)」など子育てのお悩み解決のお薬「宇津救命丸」
現在、薬局やドラッグストアーの店頭には、人気のキャラクターが付いていたり、カラフルな子どものかぜ薬、鼻炎薬、せきどめなどが並んでいます。でも、40年前は事情がまったく違っていました。
当時の店頭にも子どものかぜ薬はありましたが、 大手メーカーの品揃えの1つぐらいの位置づけで、名称も 「小児用感冒剤」と硬いものが多く、デザインも地味なうえに味もよくありませんでした。
その頃、当社では4百年続く小児用の宇津救命丸しか販売していなく、「老舗の小児薬メーカーとして、もっと子どもの健康に貢献できないか」という葛藤がありました。
市場を調査すると、子どものかぜ薬の分野はあまり注目されておらず、大人の薬の量を減らしたようなものが多くて、味も苦くて飲みにくいものばかり。子どもが嫌がって飲まないという話はたびたび聞かれました。
社内で子どものかぜ薬の検討が始まりましたが、すでに市場には大手が発売したものがあるので、新規参入は難しいという意見が大半でした。議論の末、発売する賛同は得られましたが、「子どもには生薬だけでおだやかな効き目の薬がいい」という強い意見があり、香蘇散という漢方のかぜ薬を開発することに決定しました。
しかし、当時の常務(現会長)が「熱や咳、鼻水を治すには即効性が必要」「味を美味しくしたら喜んで飲んでくれるはず」と、新薬を原料としたかぜ薬の開発を主張、「美味しく、楽しく飲めるお薬」をコンセプトに、飲みやすい新しいタイプの小児用かぜ薬の開発も始めました。
とは言っても効き目と味が一番です。成分は協力会社と共同で開発することにして、味は子どもが好きなフルーツを調査しました。当時子どものお菓子の定番だったドロップの好きな味を調べると、1番はダントツでイチゴ味、2番はみかん味(当時)、ワーストワンはチョコレート味という意外な結果でした。実際に子どもに飲んでもらった結果も一番はやはりイチゴ味だったのでこれに決定。
次に名前とパッケージ。当時の子供のかぜ薬の名称は「小児用感冒薬」と素っ気ないもので、デザインも地味で簡素でした。「子供用の雑貨はデザインがかわいいのに、なんで薬のパッケージは地味なのか?」。そんな疑問から、かわいいパッケージデザインも研究。名称はわかりやすく「宇津こどもかぜ薬」としました。今では「こどもかぜ薬」という名称と、イチゴ味は店頭に並ぶ子どものかぜ薬の定番となっています。
そして、同時に2種類のかぜ薬を出すことになりました。最初は同じような売れ行きでしたが、徐々に「宇津こどもかぜ薬」の方が売れてきて、ついに製造が間に合わず品切れに。お店や卸から矢のような催促が来ました。
宇津こどもかぜ薬が大ヒットしたのをきっかけに、更に飲みやすいシロップ剤や他のカテゴリーを次々に開発して発売。子どもの薬を多数ラインナップして、日本でも、たぶん世界でも珍しい小児薬の総合メーカーとなりました。
子どもの薬はいわば隙間商品だった訳ですが、その後各社から次々と類似商品が発売され、一時はキャラクターの付いた十数社のこどもかぜ薬が乱立しました。
しかし、少子化の波が押し寄せ、さらに小児の医療費無料化が追い打ちをかけると、淘汰されて次々と店頭から消え、当社のかぜ薬も扱ってくれるお店が限定的になりました。 そこに、あのコロナウイルスが蔓延。誰しも得体のしれない病原菌におびえ、衛生を徹底し、外出も控えるようになりました。その為かぜも流行らず、病院がガラガラという異常事態に。もちろん、市販薬も売れなくなりました。
コロナが落ち着いてきた昨年の夏ごろ、今度は医薬品が不足してきました。
とくに鼻炎と咳どめの薬が不足し、当社でも製造して出荷してもすぐ品切れになるというような状況が続いています。
ウクライナ問題などで原料の供給が不足したうえ、コロナに加えて夏かぜが流行り、それに続いて早くからインフルエンザの流行が影響した様です。また、親御さん方の考え方も、無料の病院に行くより市販薬で治す,あるいは常備するというように代わってきたのかもしれません。
当社は40年前に宇津こどもかぜ薬を発売したときの気持ちは変らず、お子様の健康を守るという信念から、いつまでも子どもの薬は作り続けていく所存です。
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