市販薬で使われる成分について解説します~dl-メチルエフェドリン塩酸塩
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2024年05月20日
400年続く「夜泣き」「かんむし(子どものストレスによるギャン泣きやイライラ)」など子育てのお悩み解決のお薬「宇津救命丸」
せきどめ薬ついて知りたい方。
せきどめ薬が足りないって聞いたけど、なぜ?と思っている方。
病院で出されるお薬と市販薬の違いについて知りたい方。
創業420年以上の製薬メーカー宇津救命丸株式会社に勤務する薬剤師、登録販売者が解説します。
後進国で医薬品が足りないという話はよく効きますが、いまこの日本で薬の不足が深刻になってきました。薬が不足している要因にはさまざまな要因があります。
とくに、咳どめ薬が足りないのはニュースにもなっていますが、医療用、一般用を問わず、大人用も子供用も品薄状態となっていて、インフルエンザで病院に行っても咳どめ薬を処方されないケースもあるようです。
その理由は、新型コロナウイルスにかかると咳が出て長引くことと、今年は早くからインフルエンザが大流行しているからです。それに加え子供の場合は、夏かぜのヘルパンギーナやプール熱が10年ぶりに大流行するなど、いくつもの要因が重なりました。
当社の「宇津こどもせきどめ顆粒」も増産していますが、いまのところ出荷してもすぐ品薄になるような状況です。
また、咳どめ薬が品薄になった原因の一つに、成分(チぺピジン)の供給不足があります。いままでは年々需要が低下してきたので、製造メーカーとしては生産体制を縮小してきましたが、前記のような理由で今度は需要が急激に拡大しました。
しかし、減産体制を増産体制に切り替えるのは容易でなく、元の生産量に戻すのに数年かかるようです。そのため、この成分を使っている製造メーカーは、割り当てられた量での製造となるため、咳どめ薬を増産したくても作れない状況となっています。
医薬品は製造許可を受けた原料以外は使えず、他の成分に切り替えるには多くの時間が必要なのです。
では、医療用の咳どめ薬と一般用の咳どめ薬の違いは何でしょう。
〇医療用とは、医師が診断して処方し薬局で調剤する薬です。一般薬(OTC)とは、誰でも薬局やドラッグストアで買える薬をいいます。
〇医療用医薬品は、医師が診察し経過を診るので効き目が強く、副作用があることがあります。一方、一般薬は、自分で判断して買うことが多い為、効き目が比較的穏やかで、副作用が少ないものが多いです。
〇医療用医薬品は単一の成分が多く、たとえば咳どめには、リン酸コデイン、チぺピジン、デキストロメトルファンなどのどれか一つが処方されますが、一般薬では複数の成分が組み合わされています。
〇一般薬にも医療用と同じ成分が含まれますが、医療用は症状に合わせて医師が服用量を決めますので量が多い(効き目重視・副作用が出やすい)です。それに対し一般薬は、自己判断でも服用できるように安全性が確認されている量(安全性重視・重大な副作用が出にくい)となっています。
ちなみに、一般薬では咳・熱・鼻水などに効くおなじみのかぜ薬ですが、医療用にはかぜに対する処方というのはほとんどなく、医師は患者の症状を診ながら、咳どめ薬、解熱剤などを処方します。
一般薬と比較すればもちろん医療用の咳どめ薬の方が効果は強いです。しかし、副作用があるということも忘れてはいけません。咳がひどいからといって、以前に処方された咳どめ薬を自分の判断で飲むのはやめましょう。
一般薬ももちろん咳どめの効果はあります。いざという時家庭に無い、店頭にもない、などと慌てないように日ごろからの常備をお勧めします。
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