※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医療診断ではありません。気になる症状がある場合は、医療機関にご相談ください。
夜中にお子さまが激しく泣いたり、叫んだりして起きる。抱っこしても声をかけても落ち着かない。本人は朝になると覚えていない。
「これって夜泣き?それとも何か別のもの?」
「このまま続いて大丈夫?病院に行くべき?」
その不安を解消するため、夜泣きと夜驚症(やきょうしょう)の違いを、薬剤師監修のもと、判断の目安と具体例で整理しました。多くの場合、心配ない自然な現象とされています。けれど、まれに受診が必要なケースもあります。見極めの目安を、お母さん・お父さんに届く言葉でお伝えします。
夜泣きと夜驚症は、まったく別の現象とされています

「夜泣き」と「夜驚症」は、どちらも夜中に泣くお子さまの様子を指す言葉ですが、医学的にはまったく違う現象として整理されています。
一行で言えば
- 夜泣き:浅い眠りの中で起こり、抱っこなどに反応する。3ヶ月-1歳半に多い。
- 夜驚症:深い眠りの中で起こり、起き上がって泣いたり暴れたりするが、周囲に反応せず、本人は覚えていない。3-10歳に多い。
両者は起こる時期も、眠りの状態も、対応方法も異なります。混同しないことが、適切な対応の第一歩です。
主要な違い 5項目

① 起こりやすい時期
夜泣き:生後3ヶ月から1歳半頃にピーク。
夜驚症:3歳から10歳ごろに多く、幼児期後半〜小学校低学年が中心とされます。
② 眠りの深さ
夜泣き:浅い眠り(レム睡眠)の最中に起こりやすいとされます。
夜驚症:深い眠り(ノンレム睡眠)の最中に起こるとされます。寝入って1〜3時間後の最初のノンレム睡眠期に出やすいとされます。
③ 周囲への反応
夜泣き:抱っこ、声かけ、トントンに反応する。徐々に落ち着く。
夜驚症:声をかけても触っても反応しないとされます。目を開けていても、お母さん・お父さんを認識していないように見えることがあります。
④ 持続時間
夜泣き:数分〜数十分。長い場合は1時間以上続くことも。
夜驚症:1回の発作は数分(5〜15分程度)で自然に治まるとされます。
⑤ 朝の記憶
夜泣き:覚えていることも、覚えていないこともある。
夜驚症:ほとんどの場合、本人は何も覚えていないとされます。
比較表でひと目で

| 項目 | 夜泣き | 夜驚症 |
|---|---|---|
| 起こりやすい年齢 | 生後3ヶ月〜1歳半 | 3歳〜10歳 |
| 眠りの状態 | 浅い眠り(レム睡眠) | 深い眠り(ノンレム睡眠) |
| 起こる時間帯 | 夜中全般 | 寝入って1〜3時間後 |
| 抱っこへの反応 | 反応する | 反応しないとされる |
| 声かけへの反応 | 反応する | 反応しないとされる |
| 目の状態 | 通常通り | 目を開けていることも |
| 持続時間 | 数分〜数十分以上 | 数分(5〜15分)とされる |
| 朝の記憶 | あったり、なかったり | ほぼ覚えていないとされる |
| 頻度 | 個人差大、ピーク期は毎晩 | 週1〜数回のことが多いとされる |
| 自然経過 | 1歳半までに落ち着くことが多いとされる | 10歳までに自然消失することが多いとされる |
あなたのお子さまはどっち? 自己判定の目安

以下の目安は、お子さまの状態を見立てる参考になります。最終的な判断は医療機関にご相談ください。
判定フロー(参考)
お子さまの年齢は?
│
┌────┴────┐
│ │
0-3歳 3歳以上
│ │
▼ ▼
夜中に泣く時間帯は? 夜中に叫ぶ・パニック
│ する時に何が起きる?
│ │
┌─┴─┐ ┌──┴──┐
夜中全般 寝入って 声をかけて 声をかけても
ピーク帯 1-3時間後 反応する 反応しない
│ │ │ │
▼ ▼ ▼ ▼
夜泣き 夜驚症の 夜泣き 夜驚症の
通常型 可能性も 通常型 可能性大
│
▼
医療機関へご相談を
3歳以上で、声をかけても反応せず、目を開けたまま叫ぶ・パニックを起こす状態が週1〜数回続くなら、夜驚症の可能性を考えます。小児科または小児神経科の受診をおすすめします。
夜泣きの基本

原因
赤ちゃんの睡眠サイクルが未熟なこと、昼間の刺激が脳に残ること、神経の発達途上であること、などが考えられています。完全な原因はまだ解明されていません。
対応
抱っこ、スキンシップ、安心の声かけが基本です。生活リズム・睡眠環境を調えることで改善することが多くあります。長く続く場合、医薬品の選択肢を検討してもよいでしょう。
→ 夜泣きの薬・漢方 完全ガイド
→ 月齢別 夜泣き完全ガイド
自然経過
多くは1歳半頃までに目立たなくなるとされます。長くて3歳ごろまでに自然消失することがほとんどとされます。
夜驚症の基本

原因
夜驚症の正確な原因はまだはっきりしていませんが、以下のような要素が関係していると考えられています:
- 脳の睡眠・覚醒システムの発達途上での未熟さ
- 昼間の強いストレス・興奮・恐怖体験
- 過度な疲労や睡眠不足
- 発熱や体調不良
- 家族歴(親が幼少期に経験していた場合、お子さまにも出やすいとされる)
対応
夜驚症の発作中は、無理に起こさず、安全を確保するのが基本とされます。ただし、対応に困った場合や強い症状がある場合は、小児神経科医にご相談ください。
- 無理に起こさない:本人は深い眠りの中。
- 触れすぎない:声をかけても反応しないとされる。混乱させない。
- 安全を確保:ベッドから落ちないよう、近くで見守る。
- 静かに見守る:5〜15分で自然に治まることがあるとされる。
- 朝に問い詰めない:本人は覚えていないとされる。普通に過ごす。
受診の目安
夜驚症は多くは自然に治ると言われていますが、以下の場合は受診をおすすめします:
- 週に複数回、強い症状が出る
- 昼間にも明らかな情緒不安定がある
- 発熱・嘔吐・痙攣など他の症状を伴う
- 発作が30分以上続く
- 親が対応に困っている、不安が大きい
- 学校・保育園生活への影響が出ている
自然経過
多くは小学校高学年までに自然消失するとされます。思春期前にほぼなくなることが多いと言われています。
夜驚症になりやすい子の5つの特徴
「夜驚症になりやすい子」には、いくつかの傾向があるとされる。我が子に当てはまるか、5項目で確認してみてほしい。
- 年齢が3〜7歳 — 夜驚症の発症ピーク帯。脳の睡眠・覚醒システムが発達途上で、深い眠りから完全に覚醒できないことが起こりやすい。
- 家族歴がある — 親や兄弟が幼少期に夜驚症を経験していた場合、お子さまにも出やすいとされる。これは「遺伝」というより「眠りの特性が似ている」と考えると分かりやすい。
- 感受性が強い・繊細な気質 — 昼間の刺激を強く受け取りやすい子は、睡眠中にもその影響が出やすいとされる。HSP(Highly Sensitive Person)の気質に近い。
- 睡眠不足・過度な疲労 — 昼寝が不足している、夜更かしが続いている、運動会や遠足など普段より体を使った日の夜に出やすい。
- 環境変化のあった時期 — 入園・進級・引越し・弟妹の誕生・家族の不在など、生活環境の大きな変化が引き金になりやすいとされる。
これらに複数当てはまる夜驚症の子は珍しくない。「なりやすい子だから心配」ではなく、「なりやすい子だから先回りで備える」という発想で、生活リズムと睡眠環境を整えていけば、多くは小学校高学年までに自然に消失するとされる。
夜驚症になりやすい子への先回り対応
- 就寝時刻を一定に保つ(土日もずらさない)
- 就寝前の刺激(テレビ・タブレット・激しい遊び)を避ける
- 昼寝が必要な年齢ならしっかり取らせる
- 就寝前のルーティン(お風呂→歯磨き→絵本→消灯)を固定する
- 寝室の温度・明るさ・音をコントロールする
どちらの場合も、親の対応で大事なこと

① 自分を責めない
どちらも親の育て方のせいではありません。発達過程の自然な現象とされています。
② 睡眠不足を意識的に補う
連夜の対応で、親も限界に近づくことがあります。日中の仮眠、パートナーとの分担、ファミリーサポート利用などで、ご自身の睡眠を確保してください。
③ 昼間の生活リズムを調える
どちらにも、規則正しい生活リズムは効果があるとされます。朝の起床時間、昼間の活動、就寝時間を一定に保つことが基本です。
④ 「いつか終わる」を信じる
夜泣きも夜驚症も、必ず終わりが来るとされます。今は通過点と捉えて、長期戦の覚悟で。
詳しくは → 夜泣きで疲れたあなたへ — 親のセルフケア
「かんのむし」という視点で見る

日本では古くから、夜泣きやかんしゃくなど、お子さまの「気持ちの揺れ」を「かんのむし」と呼んできました。
夜泣きは「かんのむし」の代表的な現れのひとつとされます。夜驚症は別の医学的現象として整理されますが、神経の発達途上で起こるという点では、繋がりがあるかもしれません。
宇津救命丸では、お子さまの気持ちの状態を「かんのむし君メソッド」として独自に整理しています。詳しくは:
→ 「かんむし」と「夜泣き」のつながり — かんのむし君メソッドで見る
よくある質問

1歳の子が夜中に叫び声を上げます。夜驚症ですか?
1歳代では夜驚症より夜泣きの可能性が高いとされます。夜驚症は3歳以降に多く見られます。ただし症状が長く続く、激しい場合は小児科にご相談を。
5歳の子が突然夜中に叫び、目を開けたまま泣きます。声をかけても反応しません。
夜驚症の典型的な症状とされる傾向です。寝入ってから1〜3時間後に起こり、5〜15分で自然に治まるとされます。発作中は無理に起こさず、安全を見守ってください。週1回程度なら経過観察、頻度が高い場合や日中も不安定なら受診を。
夜驚症は将来悪化しますか?
多くの場合、思春期までに自然に消失するとされます。長期的に問題が残ることはほとんどないと言われます。
夜驚症の薬はありますか?
一般的には、夜驚症に対する薬物治療は積極的には行われないとされます。生活リズムや睡眠環境の改善が基本とされます。重症例では医師の判断で薬を使うことがあります。市販の小児用医薬品は夜驚症への直接的な適応はありません。
宇津救命丸は夜驚症にも効きますか?
宇津救命丸の承認効能効果は、添付文書に記載のとおりです。夜驚症は承認効能効果の範囲外です。直接の効能はありませんが、気持ちを落ち着かせる作用はあるとされます。
夜驚症の子は、発達障害がありますか?
夜驚症と発達障害には直接的な関係はないとされています。ただし、発達面の特性があるお子さまで、睡眠の問題が出やすいケースはあります。ご心配なら小児神経科医にご相談を。
夜驚症は遺伝しますか?
親が幼少期に夜驚症を経験していた場合、お子さまにも出やすいという報告があります。家族歴があれば、過度に心配せず「自然に治る」と捉えて見守ってください。
夜泣きと夜驚症、両方が同時期に出ることはありますか?
通常は時期が違うのでまれですが、3歳前後の境目では、両方のような症状が見られることもあります。判断が難しい場合は小児科にご相談ください。
夜驚症と「悪夢障害」は違いますか?
違うとされます。悪夢障害(ナイトメア)はレム睡眠中に怖い夢を見て泣いて起きるもので、本人は夢の内容を覚えていることが多いとされます。夜驚症はノンレム睡眠中で、本人は覚えていないとされます。
夜驚症とはどんな症状ですか?
夜驚症(やきょうしょう)とは、深いノンレム睡眠の途中で突然叫び声を上げたり、目を開けたまま激しく泣いたり暴れたりする睡眠障害の一種。寝入りから1〜3時間後に起こり、5〜15分で自然に治まることが多いとされる。本人は朝になっても覚えていないのが特徴。
夜驚症になりやすい子の特徴は?
3〜7歳の発症ピーク帯、家族歴がある、感受性が強い・繊細な気質、睡眠不足や過度な疲労、入園や引越しなど環境変化のあった時期——これら5つに当てはまる子は夜驚症になりやすいとされる。複数当てはまるからといって心配しすぎず、生活リズムと睡眠環境を整えるところから始めてほしい。
夜驚症と夜泣きはどう違いますか?
夜泣きは0〜3歳の浅い眠りで起こり、抱っこやあやしで落ち着きやすく、親への反応がある。夜驚症は3歳以降の深いノンレム睡眠で起こり、本人は周囲に反応せず、朝には記憶がない。発症時期・眠りの深さ・反応・記憶——主にこの4項目で見分けられる。
子供の夜驚症は何歳から何歳まで続きますか?
多くは3〜7歳で発症し、小学校高学年(10〜12歳頃)までに自然に消失するとされる。思春期を迎える前にほぼなくなるケースが多い。週1回程度の発作は経過観察で良いとされるが、頻度が高い・日中にも情緒不安定が見られる場合は受診をおすすめする。
夜驚症で受診すべき目安は?
週に複数回強い症状が出る/昼間にも情緒不安定がある/発熱・嘔吐・痙攣など他の症状を伴う/発作が30分以上続く/親が対応に困っている・不安が大きい/学校や保育園生活に影響が出ている——いずれか当てはまれば小児科または小児神経科の受診を検討してほしい。
まとめ — 大事なポイント
- 夜泣きと夜驚症は、起こる時期・眠りの状態・反応性が大きく違う、別の現象として整理されています
- 多くの場合、どちらも自然に治る現象とされます。親の育て方のせいではありません
- 3歳以上で、声をかけても反応しない・本人覚えていない強い泣き/叫びが続くなら、夜驚症の可能性
- 受診の目安:頻度が週複数回、昼間も情緒不安定、他の症状を伴う、親が対応に困っている場合
- どちらも、親の睡眠と心の余裕を確保することが、長期戦を乗り切る鍵
不安なときはひとりで抱え込まず、小児科・LINEで相談・周りの人に話してみてください。